読書の秋ですね。スタッフの カヤです^^
この週末は、翻訳家の柴田元幸さんの朗読会に出かけました。
柴田さんといえば、東大の米文学の教授(今年退官されたそうです。)というよりは
村上春樹さんとのつながりでご存知の方のほうが多いかもしれません。
今回は、最新刊の「木に持ちあげられた家 (Switch library) 」や
責任編集されている雑誌「MONKEY Vol.4 ◆ ジャック・ロンドン 新たに」などから、
ご自分の翻訳した作品を朗読してくださいました。
ジャック・ロンドンといえば、米文学史に登場する著名な作家で、
代表作は「野生の呼び声」というくらいの認識しかなかったのですが、
いわゆるセレブリティが登場する前の時代、
彼はマーク・トウェインなどと並んで人気の小説家だったそう。
(たしかになかなかのイケメンです。笑)
今の芸能人や皇族のように、彼の一挙一動は、
新聞にイラスト付きで報道されていたのだそうです。
ときは日露戦争のころ。ジャック・ロンドンは取材で日本にも訪れており、
そのとき撮影した写真が掲載されている当時の新聞なども
スライドで紹介してくれました。
米国の作家の系譜として、あまり文化的な出自でない人がおり、
彼もそのようなタイプ。アウトドア系だったり、ジャーナリスティックだったり、
行動派な物書きといった種類の、ある意味、米国的な作家たちのひとりです。
時折はげしい雨が打ちつける窓の外を気にしたりしながら、
日の暮れかけた昭和な古びたビルの一角で行われた朗読会。
学生時代の米文学史の講義を懐かしく思い出しながら、
久しぶりに”なにか米国的なモノ”を読み返してみようかなと思ったのでした。
木に持ちあげられた家 (Switch library)
荒野の呼び声 (岩波文庫)